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香りと記憶と言葉


私の主催する「対話型アート鑑賞」は1枚のアート作品を、複数の参加者の皆さんとじっくり観ながら、その作品の中で気づいた事を言語化していきます。

他の人が発言すると、自分でも思ってもいなかった視点に気付かせてくれ、そこからまたインスピレーションがわいて、だんだん作品の見え方が変わってくるのも面白味の一つです。

私が初めてこの「対話型アート鑑賞」」に出会った時、自分で考えた言葉で発言し、どんどん作品の理解が深まる体験が衝撃的で、今でも初めて鑑賞した作品は忘れることができません。

記憶と言えば、先日『透明な夜の香り』の著者、千早茜さんの対談番組を見ました。 香りは深く記憶と関連していることを題材にした小説で、香水を作る調香師(パフューマー)にインタビューした時の話をされていました。

パフューマーの方は調香して作り上げた香りを記憶するために、その香りを感じたままに言語化するそうです。例えば「洗いたてのシーツに顔をうずめた時の太陽の香り」のように、言語化することで記憶できるのだそうです。 「対話型アート鑑賞」も同じです。自分の考えから発想したり探求したりすることはずっと記憶に残っています。 「対話型アート鑑賞」はもともと、ニューヨーク近代美術館の教育プログラムとして開発されました。

当時、絵画の座学講座が受講者の記憶に何も残らないのは一方的な講義だった、と気づき、座学よりも、主体的に考えた事を言語化することで、人々の記憶に残るようにデザインされたプログラムを開発しました。

いつまでも記憶に残る絵画があるって素敵ですね。

 
 
 

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